RYOKO ICHIKAWA

こじかのこと

こじかは、カトリックの日曜学校や私立小学校などで、子供たちに読まれている週刊の児童冊子です。私は2011年から6年間、表紙イラストレーションを担当しました。毎年、1年を通して子供たちに喜んでもらえるよう、題材や色使いなど、考えに考えて描いていました。最後の年の2016年は、今までの中でも特に色彩にこだわって制作したものです。できるだけ色数を絞り、目に鮮やかな原色を使用しました。背景の色も特別号以外は、赤・緑・青をローテーションさせています。

こじかを担当されている編集者さんとの出会いは2010年のことでした。勤めていたデザイン会社を退社し、イラストレーターとして営業をしていた最中のことです。
とあるデザイン会社のアートディレクターにポートフォリオ見ていただいた時、ちょうど次年度の「こじか」という冊子の表紙を描くイラストレーターを探している編集者がいるからポートフォリオを見てもらったらどうか、というお話をいただきました。その方にご紹介いただき、後日改めてこじか編集部を訪ねることになりました。
古く立派な教会の敷地内、瀟洒な佇まいの編集部の入った建物。編集者さんはとても穏やかで優しい雰囲気の方で、ポートフォリオを見ていただくとすぐにイラストレーションの担当に起用してくださいました。その時の採用理由が正直で面白いと感じたのを覚えています。
理由はズバリ「おしゃれじゃないから」。私以外の候補に挙がっていたイラストレーターはおしゃれすぎたそうです。児童誌なのでもう少し素朴な雰囲気のイラストを選びたく、私の絵はそれにストンとはまったようでした。
2010年度、自分の足で営業して得た初めての仕事はこうしてスタートしました。最初のこじかは1年を通して1つのストーリーとなる絵本風のイラストレーションになりました。

こじかの表紙イラストレーションを担当した6年で、私の画風は、途中、ガラリと変わりました。最初はアクリル絵の具で、大好きなチェコ絵本の影響を受けたイラストを描いていましたが、少しづつシンプルな画風となり、2015年には完全にデジタルに移行したことで2011年のイラストとは別物の画風に変わっていました。こじかはその変換を、ずっと表現してきた唯一の媒体です。 担当編集者の方がたびたび読者の声を聞かせてくれたり、縛りなく自由に絵を描かせてくれたり、とても恵まれていたお仕事だったと思います。
残念ながら6年で担当を外れることになりましたが、本当に有意義で貴重な6年間でした。
担当編集者さんをはじめとした関係者のみなさま、冊子を手にとってくださった読者のみなさまに心からお礼を申し上げます。

Note

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